「社会起業」とは、職業観について、新しいニュアンスをもたらしてくれそうです。

ビジネスとは、経済的リターンを求める活動とするならば、社会起業家は、「経済的リターン」にプラスアルファ、「社会的リターン」を追求する起業家と言えるかもしれません。

現在の日本では、目の前の社会問題は見えづらくなっているかもしれません。社会的な問題は単純には、解決できるものではありませんが、皆さんの身近な存在であることは確かです。ひきこもり、不登校、いぢめ、自殺者の増加、犯罪、経済の低迷、労働者の減少、ホームレス、自然災害による被害、パワーハラスメント、MeToo運動、人種差別、地球温暖化、貧困・・、などが挙げられます。私自身は、「満員電車」も社会問題ではないかと考えています。満員電車に乗りたい!といった人は、かなりの少数派だと思えるのに、その解決に向けての活動は乏しいと思うのです。満員電車を「社会問題」として、皆さんと問題意識を共有しながら、問題定義してみたいのですが、今回は、「社会起業」について考えていきたいと思います。

皆さんの日々の労働を社会貢献と捉えると、どうでしょうか?そんな「志」、具体的な目的意識をもちながら、日々、勤勉な労働を行っていますか?明日の、ご飯のお米、味噌、醤油を買う為に、満員電車に乗って、職場にたどり着きデスクの上のPCに向かい、鳴り響く電話を取りながら、夕方には、帰宅ラッシュで混み合う満員電車に乗って、最寄り駅で下車すると賑わうスーパーに立ち寄り、夕飯と明日の朝食の献立を買って帰宅する。何の為に働いているのだろう・・、自身に問いかけると、返ってくる答えは、どんな答えになるでしょうか?

「社会起業家」と呼ばれる人達は、働くことと、社会問題を解決する活動が同時に、ビジネスと成り立って起業を行っている人々のこと言います。こう語った人もいます。「社会起業家とは、夢を成し遂げる為の夢想家ではなく、夢をもって行動する人だ」と。世界的に有名な社会起業家と言えば、看護師が白衣の天使と呼ばれる由来となったナイチンゲールはご存知ですか?ナイチンゲールは、自己犠牲によるボランティアの援助活動には反対しており、犠牲のない献身が真の奉仕活動であるとも考えていたようです。彼女は、19世紀の英国に病院革命を成功させ、世界の医療のあるべき姿に影響を与えました。