法人成りとは、今まで個人事業で行っていたことを、法人化することです。わざわざ法人化することで、どんな効果があるのでしょう。

メリットとしてはまず、節税効果があります。会社の方から自分や家族に給与を払うことで、会社の経費として扱うことができます。これによって、自分の所得税を抑えることができます。また、タイミングによっては消費税の免税期間を延ばすことも可能です。税金のメリットとしては、他に出張手当がもらえたり、生命保険を経費として扱うことができます。自宅の家賃は経費になりませんが、法人で役員社宅を定めると、家賃の半分を法人の経費として扱うことができます。敷金や礼金、手数料などの費用も経費にすることができるのはもちろん、火災保険なども会社の名義で掛けることが可能になります。他に、その年度での収支が赤字だった場合、翌年度以降にその赤字額の繰り越しができます。この赤字額ですが、個人の場合は3年間しか繰り越せないのに対して、法人の場合は9年間可能となります。

税金以外のメリットももちろんあります。例えば、法人になったことで借入が有利になります。個人の場合は第三者の保証人が必要になりますが、法人の場合は借主を法人、保証人を社長とすることができます。新規の取引を始める場合や、許認可事業を始める場合も、「法人」の会社であることが前提になることがあります。将来の安定性も、法人の方が信用度が高いからです。種類によっては、助成金を受け取ることもできます。もちろん個人事業でも受け取れる助成金はありますが、その種類は法人の方が圧倒的に多いと言えます。利益が出るのであれば、法人に切り替えるのが良いと言えるでしょう。