決算時の利益を減らそうと、大量買いをする場合もあると思います。例えば決算日直前に、切手や収入印紙などを購入する場合です。これらももちろん在庫として扱います。
ですが、これらは「棚卸資産」ではなく、「貯蔵品」という勘定科目で扱われます。具体的に、何が違うのでしょうか。
貯蔵品は、資産の勘定科目にあたります。こまごました物品で未使用である必要があり、事業で扱われる商品や原材料はこれに該当しません。
事業に直接関係するものを「棚卸資産」、直接関係しないものを「貯蔵品」と覚えておくと分かりやすいと思います。
貯蔵品に関しては、上記で挙げた収入印紙や切手などはもちろん、他に新幹線などの回数券、文房具、会社の封筒、コピー用紙などもこれに該当します。
これらの物は、基本的には買ってすぐに、慌てて消費をすることはあまりないと思います。貯蔵品という名前の通り、しばらくオフィスに備蓄されるでしょう。貯蔵品は、発生主義の原則に従っています。まずは購入時に貯蔵品としての資産計上を行い、実際に使用したときに費用として計上するという方法です。
後は場合によるといったところも大きいのですが、一般的には「一定量を購入し、経常的に消費するものは貯蔵品に該当しない」といわれています。例えば、毎月50枚の収入印紙を購入している場合、その残りを貯蔵品にする必要はありません。ただし、決算日直前に必要内であろう収入印紙を200枚買ったとなれば、これは貯蔵品に該当します。貯蔵品の処理の方法については、財務上ではある一定の裁量の余地が与えられていると言われています。それぞれの会社に適した、合理的な処理方法を選択・実行することが必要と言えるでしょう。