在庫にも、当然ながら税金がかかります。しかし実際のところでは、在庫がイコール課税対象ということではありません。何故なら、税金はその期の利益に対して発生するので、在庫それ自体に課税はされません。

 

この仕組みについて確認していきます。

例えば、仕入原価は、仕入金額から在庫を引いたものが該当します。仕入金額が800万円で、在庫が300万円ある場合は、仕入原価が500万円となります。この時、今期の売り上げが1000万円あった場合、この仕入原価500万円を差し引いて、粗利益を500万円とすることができます。さらにここから給与や家賃、交通費などの経費をひいたものが今期の利益となり、算出されたものに税率を掛けて税金を計算します。

今の例では、在庫が300万円と書きましたが、もし在庫が100万円分多い場合はどうなるのでしょう。仕入金額が800万円で、在庫が400万円になり、仕入原価は400万円になります。これを1000万円から引くので、粗利益は600万円となります。最終的な計算結果が変わることで、税金が高くなってしまう仕組みです。これが「在庫に税金がかかる」という仕組みとなっています。

 

この仕組みを見て分かる通り、在庫があればあるだけ税金が高くなります。そのため、売れない商品をずっと在庫として持っているのは損になってしまいます。どうしても売れない商品であれば、評価損に計上することがあります。(その時の条件はもちろんあります)

これで在庫を0円にすることで、税金や保管料を少なくすることができます。ただし、この廃棄損については、期末までに行う必要があります。

 

決算を迎えてから慌てて対策するのでは遅いので、日常的にチェックをして、無駄な在庫を抱えないような工夫をしましょう。