まずは貸借対照表の科目のひとつである、「資産」について詳しくみていきましょう。資産の部は、「流動資産」「固定資産」「繰延資産」の3種類で成り立っています。

まずは流動資産についてです。これは「一年以内に回収や支払いができ、現金化ができる」というものを指します。この一年基準をワン・イヤー・ルールと呼びます。このルールを基準にすることで、流動資産になるのか固定資産になるのか分類することができます。この流動資産については、主に現金預金で使われることが多いです。これは現金をはじめとする普通預金、定期預金、定期積立金を指します。他には受取手形や売掛金、貸倒引当金を指す売上債権、有価証券も該当します。棚卸の際に見られる、商品や原材料、貯蔵品もこれに該当します。

次に固定資産についてです。これは、「一年以上の時間で、価値が下がっていくもの」を指します。固定資産の中でも、いくつかの種類があります。まずは建物や土地、機械や車輌を指す有形固定資産です。その名の通り、分かりやすく形のある資産です。次に無形固定資産です。その名の通り形のないもので、特許権やソフトウェア、借地権などを指しています。その他としての資産には、出資金や長期貸付金、株式などが該当します。破産更生債権(経営が破綻した状態に陥っている債務者に対する債権)もこれに該当します。

流動資産、固定資産とは別に、繰延資産も存在します。これは、すでに支払いが済んだもの、若しくは支払い義務が確定した上で薬務やサービスの提供を受けたもので、その効果が将来的にも現れる費用を指しています。例えば会社の創立費用や開業の費用。株式の交付費も同じく該当しますので、注意が必要です。